手越祐也主演、重松清原作の「疾走」

この物語は、優秀な兄を持つ家族が、放火犯になってしまった兄がきっかけで、家族がどんどん壊れていって、居場所が、「浜」の唯一ある教会だった主人公シュウジが、牧師さんと知り合って、聖書を読み、どうにかして自分の心を抑えようとします。

その牧師は、数年前に一家惨殺をした犯人ではないかと「浜」で噂があって、やがてシュウジは、その真相を聴く。それは、牧師の弟がした事件だったことを知る。

当時、弟には彼女がいた、兄(牧師)もその彼女の家族と仲良くなり、彼女のご両親は、弟より兄(牧師)の方を気に入っていた。

ある日、兄(牧師)は、彼女を誘惑した。

彼女もそれを受け入れた。やがてそのことを弟は知ることになった。
兄が好きだった弟は、その兄に対する怒りを、彼女や彼女の両親にぶつけた。

一家惨殺。
しかし、兄(牧師)は、彼女の心を傷つけてはいなかった。合意の上だった。

弟は、大阪の刑務所に入って、死刑が決まった。

シュウジは弟に会いに行くが、そこで弟に「俺とお前は一緒だ。からっぽ」と意味深な言葉を言われ、激しい恐怖を抱く。

そしてシュウジは、昔、自転車のチェーンが外れたときに、やくざの鬼ケンに助けてもらい、トラックに乗せてもらった。

艶めかしい女、アカネと出逢う。

何年か経ち、鬼ケンは、森の中で、縮こまった死体で見つかった。
その後、シュウジは、高校生になり、教会の前でアカネと再会し、アカネはやくざの一番やばい人の女になっていた。

そして、ここの土地は、再開発され、リゾートホテルになってしまうという。でも、牧師が出ていかないからとてこずっていた。

そして、鬼ケンのこと覚えてくれてホンマにうれしいわ。といい、何かあったら頼りにしぃとアカネの名刺を渡された。

教会には、エリというクラスが一緒の女子がいた。

エリは、自慢のポニーテールを学校の規則で先生に切られそうになるが、その前に教室でバッサリ切った。

シュウジは、体育の時間、ポニーテールが揺れるエリを見てた。
エリの両親は、一家心中をし、エリだけが生き居残った。

牧師さんに「運命と宿命の違いは何ですか」と聞かれたときに、宿命は怖い感じがすると答えた。
牧師さんは、人生をさいころの升目に例えた。

エリの両親は、たまたま自殺という升目に止まってしまった。エリの人生はまだ、進みますと励ます。
エリとシュウジは走るのが好きだった。

ある日、体育の時間に、エリは、瓦礫を積んだトラックの瓦礫が落ちてきて、足を骨折。
そのトラックは、リゾート開発のやくざのものだった。

エリを預かる親戚には、大金が入ってきた。

エリは初めて親戚の役に立てたと嘆いてた。

シュウイチは勉強が出来た。
でも高校入学後、授業についていけなくなり、ある日カンニングをした。

いじめの対象になった。

そこからシュウイチはおかしくなって、真夜中に自転車で、どこかに行く。
やがて、どこかで火事が起きる。

シュウジのクラスでは、シュウジの友達が疑われたが、本当の犯人は、シュウイチだった。

シュウジは、みんなから赤犬(放火魔のこと)と呼ばれ、疑いをかけられた友達を中心にいじめを受けた。

そして、エリは、東京に引っ越すことが決まる。
シュウジの家は、兄は壊れ、父親も母親も蒸発して家族崩壊していた。

すべてに絶望し、東京に行けばエリに会えると信じ、死刑囚の牧師の弟の面会の後、アカネに連絡して、大阪に来た。

アカネとシュウジは居酒屋に行き、アカネの男「新田」に合わせる。

けど新田は相当やばいやつで、シュウジにトイレで酒を瓶ごと飲ませ、泥酔させられた。

そして、目が覚めると、女の子が腰を振りながら、ベッドに居た。

その女の子は、大学の先輩に売られた子だった。
そして、その部屋には、アカネもいた。

その女の子は、「新田を殺さないか」と持ち掛ける。
生きていても地獄というアカネの言葉で、シュウジは新田殺しを決意。

アカネが「自首するから、シュウジは女の子と逃げ!」と言った。

新田の手下に見つからないように逃げるが、女の子は捕まってしまい、後日、森の中で遺体となって発見された。

そしてシュウジは、道端に落ちていたケータイで、エリと連絡をし、東京で会うこととなった。

エリは、東京で、おじさんのおもちゃにされていた。

そのことを知ったシュウジは、おじさんを刺してしまう。
逃げ切れるとこまで逃げ切って、かつての家にたとりつき、自ら家をも燃やしてしまう、

そして警察が来て、運悪くシュウジは、心臓にけん銃の球が当たってしまい、死んでしまう。
そこでシュウジの人生は終わったのだけれど、アカネがシュウジの子を産んでいた。

そして、牧師、アカネ、エリ、そしてシュウジの子供は、教会の周りを目いっぱい走っていた。

という、誰も幸せになれない暗く絶望である。

だが生きることは何か、人はなぜ人を殺すのか、なぜ人は人を殺しちゃダメなのか、そして、そんな世の中でも生きていれば、光が見える事を伝える作品でした。

原作は、本当は、更に事細かに人間の嫌な部分やもっと絶望的になることが書かれていますが、映画ではマイルドになっています。

本当は映画より本をみんなに読んでもらいたい。

実はこの主人公は、’90年代に起きた池袋無差別殺人事件を題材としています。
彼がどう人に絶望し、殺人まで起こすようになったかが、書かれています。

しかし、どんなに人に絶望しても、人に憎しみを抱いてはいけない、自分も幸せになれないから。

この映画の見どころは、死刑が決まった弟がシュウジに、「俺とお前はかおんなじだ。からっぽ」というセリフがあるのだが、どう同じなのか、なぜ空っぽなのか、考えれるところと、牧師さんは、どんな話でも聞き入れて、決して絶望させない、必ずシュウジの近くにいてくれる、どんな時も。それが、シュウジのただ一つの救いだったのかもしれないと私は思いました。

人の生き死にに関わる作品。

映像も内容も暗いけど、なぜか解ってしまう自分がいて、へこんだとき、落ち込んだ時、死にたいと思ったときは、必ずこの映画を観ます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました